データ・ビジュアライゼーション・DIY:便利なツール
簡単に無料で使えるビジュアライゼーション・ツールはウェブ上にどれだけあるのだろうか。たとえば上の図はガーディアンのサイト Datablog and Datastore にあったものだ。ウェブにある無料のツールを利用して、できるだけ同じものを作ってみよう。
ただしこれは少々、意地が悪く聞こえるかもしれない。というのも我々はガーディアンが持つ驚くべきグラフィックやインタラクティブなチームを利用できるからだ。それらがあれば、アドビのイラストレーターを利用して作られた 公共支出マップ や Twitter上の騒動の可視化 なども少しの時間で作れるはずだ。
しかし日常業務において我々は、誰でも使えるツールを使い、誰でも作れるグラフィックを作ってしまいがちだ。
では、いったい何を使えばいいのだろうか。
Google Fusion Tables
このGoogleによるオンライン・データベースおよびマッピングツールは、素早く詳細なマップを作るためのデフォルトツールになっている。ズームの動きが必要な場合には特に欠かせない。すべてのGoogleマップをハイレゾで利用できる。しかも100MBという大量のCSVを一瞬で開くことができる。我々は Fusion Tables を使ってこのイラク上空のマップ Figure 18 を作ったり、ホームレスの境界線を描いたマップ Figure 19 を作った。
もっとも優れたところはその柔軟性だ。地域の境界を示すKMLファイルをアップすれば、それをデータテーブルと統合できる。もちろん使いやすいユーザー・インターフェースも提供される。
これを作るのにプログラマーである必要はない。また、この Fusion Layers ツール を使えば、異なる地図を一緒に並べたり、検索・フィルタといったオプションを加えたりできる。それをブログやウェブサイトに貼り付けることも可能だ。
Googleのキャサリン・ハーレイによる素晴らしいチュートリアル から始めてみるとよいだろう。
Note
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shpファイルを Fusion tables 形式に変換するのなら shpescape が使える。一方で地図が複雑になりすぎてしまうところに注意したい。Fusion tables は1セルあたり100万ポイント以上になると処理しきれない。 |
Tableau Public
Tableau Public もプロ版の容量無制限サービスを使わないならば無料だ。シンプルに、しかも簡単にビジュアライズできる。10万項目の生データまで扱える。これは異なる形式のチャートを統合するときに使う。たとえば 世界で最も税率の高い地域マップ は地図に加えて棒グラフも併せ持っている。
あるいはデータ探索のためにも使える。たとえば、 Figure 20 で 我々が行ったこと が当てはまる。無料版で与えられている容量は使い果たしてしまったが、そこは注意しておこう。またTableau を使い倒すには、特殊な方法でフォーマットしたデータが必要になる。だがそこさえ理解できていれば、あとは直感的に作業が進むようになるだろう。 たとえば、アルゼンチンの NACION Data はTableauを使って完璧なデータ・ジャーナリズムを組み立ててきた。
Tableauにはよくできたオンライン・チュートリアルがある。まずはこれから始めよう。 http://www.tableausoftware.com/learn/training
Note
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TableauはWindows向けに作られている。Mac版は計画中とのことなので、Macで動かすためにはParallelsのようなソフトウェアを使ってください。 |
Google Spreadsheet Charts
Google Spreadsheet Chartsはこちらからアクセス。 http://www.google.com/google-d-s/spreadsheets/
棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフのような単純なサンプルだけでなく、 Google spreadsheets(Googleアカウントがあれば作れる)でもっと素晴らしいグラフが作成できることに気づくだろう。Hans Roslingによる Gapminder のようにバブルがアニメーションするようなものだってできる。 Chart API と違って、コードについて悩む必要もない。エクセルでグラフを作るのによく似ている。データをハイライトして、グラフのウィジェットをクリックするだけだ。カスタマイズオプションは試す価値がある。色や項目、目盛りを変えられる。これらはとても控えめなデザインなので、小さいグラフの場合には便利だ。折れ線グラフにも良いオプションがあって、注釈をつけることができる。
Note
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グラフのカスタマイズオプションに時間を割いてみよう。自分なりのカラーパレットを作ることができる。 |
Datamarket
データ提供者としての方が有名だが、 Datamarket は数値を可視化するのにとても素晴らしいツールでもある。自分のデータをアップロードしてもよいし、サイトが提供しているたくさんのデータセットのいくつかを使うこともできるが、プロアカウントを購入するとよりよい選択肢が得られるだろう。
Note
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Datamarket は時系列データについて最もうまく機能する。ただし、広範なデータ範囲には留意すること。 |
Many Eyes
たくさんの思いやりのある世話を必要としているサイトがあるとすれば、それは IBM の Many Eyes だろう。 Fernanda B. Viégas と Martin Wattenberg に作られたこのサービスが始まった時、利用者が単にデータセットをアップロードするだけで可視化できるというのは他に例を見ない試みだった。現在は、その製作者たちが Google で働くようになったためか、くすんだ色調のサイトは心なしか愛想をつかされているように見える。可視化についてはここのところあまり更新が見られない。
Note
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一度アップロードしたらデータを編集することはできないので、作成前に正しく用意できているか確認したほうが良い。 |
Color Brewer
厳密には可視化のツールではないが、 Color Brewer は地図の色を選ぶのに非常に有用だ。ベースとなる色を選んだら、パレット全体の色コードが得られる。
その他
もし、これらで満足できなければ、 DailyTekk piece もチェックしてみる価値がある。さらに多くの選択肢が提示されている。ここまで上げた選択肢が全てではなく、私たちが頻繁に使うものを紹介しただけだ。他にも沢山ある。例えば:
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Chartsbin, クリックできる世界地図をつくるためのツール
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iCharts 小さなグラフ・ウィジェットに特化している
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Geocommons 世界地図やローカルな地図を作るためのデータと境界線データを共有してくれている
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おっと、これもあった piktochart.com 。今人気があるテキストや数字の可視化のためのテンプレートを提供してくれている。
— Simon Rogers, the Guardian