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本書はどういう本か(そして、どういう本ではないか)

本書は、データ・ジャーナリストになる、あるいはデータ・ジャーナリズムに興味を持った人に役に立つ情報源となることを目的としている。

多くの人たちが本書を書くのに貢献してくれたし、我々は編集する過程を通じて、いろいろな声や意見に光を当てるよう努力してきた。データ・ジャーナリズムとは何か、なぜそれが重要なのか、そしてどうやって実践するのか、豊かで有益な対話をしている、そんなつもりで読んでもらえれば幸いだ。

残念ながら、本書を読んだからといって、データ・ジャーナリストになるのに必要な知識とスキルがひと通り備わるわけではない。それには、さまざまな疑問に答えられる専門家がいっぱいいる、巨大な図書館が必要だろう。ありがたいことにその図書館は実在し、インターネットと呼ばれている。そうした知識ではなく、本書ではデータジャーナリズムの始め方や、さらに先に進みたい場合にどこに目を向けるべきか、そういった考え方を与えることができれば、と思っている。したがって、例やチュートリアルは網羅的ではないが、説明に役立つものとなっている。

貢献してくれたすべての人たちから多大な時間、エネルギー、そして忍耐を得て、その有効利用に全力を尽くせて我々は幸運だと思う。我々としては、本書が――有益な情報源となるだけでなく――情熱と熱狂、新たな動きのヴィジョンとエネルギーを記録するものになればと思う。本書は、舞台裏で起こっていること、ストーリーの背後にあるストーリーの感覚を与えようとする試みである。

データ・ジャーナリズム・ハンドブックは進行中の作品である。修正されるべき、あるいは欠けているのが目立つところがあると思うなら、次版でそれを入れられるよう注意いただきたい。データ・ジャーナリズム・ハンドブックはまた、 クリエイティブ・コモンズの表示―継承ライセンスの下で自由に利用可能なので、興味を持って読んでくれるかもと思う人と本書をシェアすることを強くお勧めする。

Liliana Bounegru (@bb_liliana)
Lucy Chambers (@lucyfedia)
Jonathan Gray (@jwyg)
2012年3月