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イリノイ学校のレポート・カード

毎年、イリノイ州の教育委員会は学校の"レポート・カード”、デモグラフィックスとパフォーマンスに関する全ての公立学校のデータをリリースしている。それは大量のデータセットであり、今年のリリースは9500もの列数になった。問題は大量のデータから表現するべき何を選ぶかである(すべてのソフトウェア・プロジェクトと同様に、難しいのはソフトを作ることではなく、正しいソフトをつくることである。)。

我々は興味深いデータを選択するために教育チームから来た記者と編集者と共に作業にあたった(これ以外にも大量の興味深いデータが存在したが、記者がこれを元に伝えようとしていることは問題が存在したり、ミスリーディングである。)。

我々はニュースルームにて、学校に通う子供たちの関係者の方を調査、インタビューした。途中、我々は読者とかつての学校サイトのユーザビリティ(あるいはその欠如!)について多くのことを知ることになった。

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Figure 17. 2011 イリノイ学校のレポート・カード (Chicago Tribune)

我々は特定のユーザーとそのユースケースについてデザインすることを目的とした:

*どのように学校が測定されているかを知りたい親たち *どこに住むべきか選択しようとしている親たち:しばしば学校の質がそのような決定において大きな影響を持っているので。

第一回目においては、学校のサイトは6週間、2人の開発者のプロジェクトであった。2011年の更新においては、4週間、2人の開発者のプロジェクトであった。(最近のプロジェクトでは主に3人の人間が働いている。ただし誰もフルタイムではないので計2人程度である。)

このプロジェクトのカギとなるピースは情報デザインであった。我々は入手可能なデータのごく一部しか用いてないが、それでも、多くのデータであるといえるし、それをすべて理解可能にするのはチャレンジングである。幸運なことに、我々はグラフィック・デスクから人材(複雑な情報を可視化することを専門とするデザイナー)を借りることができた。彼はチャートのデザインについて我々に多くのことを教えてくれた。また、彼は読み手の能力と数字を理解したいという気持ちを低く見積もることなく、プレゼンテーションを一般的に解読可能なものにするように導いてくれた。

サイトはPythonのDjangoを用いて構築された。データはMongoDBに格納されている。学校のデータは不均一であり、階層的であり、リレーショナル・データベースには適さない(しかしながら、我々はおそらくPostgreSQLは用いているようだ)。

我々は最初にこのプロジェクトにおいて、Twiiter Bootstrapというユーザー・インタフェースのフレームワークを検証した。そしてその結果に満足した。チャートはFlotを用いて描かれた。

アプリケーションは我々の記した学校の能力についての記事にも近かった。それはある種のポータルのように、以下のような方法で機能した。新たな学校の能力についての記事が存在する時、それをアプリのトップに配置して、その記事と関連する学校のリストを横に置いた(そして、新たな記事が選択されるとwww.chicagotribune.comの読み手は記事ではなく、アプリに飛ばされる。)。

初期の報告では、読者はアプリを好んだ。我々の受け取ったフィードバックはおおむね好評であった(もしくは最低でも建設的であった)。ページ・ビューは非常に高かった。おまけに、ホームページから学校に関する記事が消えると、データへのアクセスも消えると期待していたが、このデータは年間を通じて興味深いものであったようだ。我々の過去の検証では読者は年中このアプリを求めているようだ。

我々のこのプロジェクトから得られた数少ないカギとなるアイデアは、

*グラフィック・デスクはあなたの仲間である。彼らは複雑な情報を消化可能な形にすることに長けている。

*ニュースルームに助けを求めなさい。これは我々がニュースルーム全体での調査とインタビューを行った2番目のプロジェクトにおいて、我々の購読者となりうるような、多様なバックグラウンドとであり、一般的にコンピューターに対して優れていない、考え深い人たちの意見を入手する素晴らしい方法である。

*あなたの仕事を見せなさい!我々のフィードバックの多くはアプリケーションで使用されるデータの要求であった。我々はこのデータを一般にAPIで入手可能にした。そして、我々は当初含めようと思っていなかったものを近々公開する予定である。

Brian Boyer, Chicago Tribune