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選挙結果を示す「ビッグ・ボード」

選挙結果は、あらゆる報道機関にヴィジュアルでストーリーを伝える機会を与えてくれるが、長い間、このような機会は逃されてきた。2008年、われわれとグラフィック担当デスクは、それを変えるために着手した。

われわれは、ストーリーを伝え、図や地図に数字の寄せ集めるだけではない選挙結果を見せる方法を探し出したかった。前回の選挙で、 われわれ行った こと がまさにそうだった。

大量の数字があることは必ずしもよいことではない。いわゆる、われわれが「CNNモデル」と呼んでいた図表ばかりのものだ。それはつまり誰が勝ったのかという、読者がまさに知りたいことを提供していたため、機能した。

そして、根本的に壊れたものをこねくり回す危険性が顕著だった。徹底的に違うこと行い、人々の期待から離れることで、われわれは少なくとも物事をより混乱させる可能性があった。

最後に、正答を思いついたのは、グラフィック担当デスクのShan Carterだった。われわれが最終的に 「ビッグ・ボード」 と呼ぶことになったものだ。わたしが最初にモックアップを目にしたとき、文字通り頭をたたかれたような瞬間だった。

それはまさに正しかった。

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Figure 25. 選挙結果を示すビッグ・ボード(ニューヨーク・タイムズ)

どうしてこのビジュアル・ジャーナリズムは素晴らしいものになったのか?まず、読者がすぐにトップにある、選挙人投票を表した大きなバーに目をやる。ジャーナリズムの文脈では、(記事の)リードと呼ぶものだ。それは、読者が知りたかったことを、早く、シンプルに、ビジュアルのノイズなしに、まさに伝えたということだ。

次に、読者が見るのは、ニューヨーク・タイムズが候補者がどの州を勝ち取りそうかをどのように感じているのかによって構成された、下にある5つの縦列のグループだ。真ん中の列にあるのは、ジャーナリズムの文脈で言うナットグラフと呼ぶものだ。ここでは、なぜObamaが勝つのかということを説明している。そのインタラクティブを見れば、Obamaが勝ちたい州のすべてを取り、5つの五分五分の州のうち4つをとるということが明確に分かる。

わたしにとって、この5つの縦列構造は、ビジュアル・ジャーナリズムがほかのデザイン形式とはどれだけ異なるかの例だ。理想的には、ビジュアル・ジャーナリズムの素晴らしい作品は、美しくもあり、情報量が多いものになるだろう。しかし、ストーリーか美学のどちらかを決めるとき、ジャーナリストはストーリーが過ぎるに違いない。そして、このレイアウトは、純粋なデザイナーがデータを提示するのに選択する方法ではないかもしれない一方で、それはストーリーをとてもよく伝える。

そして最後に、あらゆるウェブのインタラクティブのように、この作品も読者をいっそう深く誘い込む。そこには、ストーリーのメイン部分と競り合わないように、州ごとの投票率や選挙人の数、そしてわざと軽視された割合の報道のようなディテールがある。

これらすべてによって、「ビッグ・ボード」が、ほとんど完璧に間違いなく確実な逆ピラミッドを描いた、ビジュアル・ジャーナリズムの偉大な作品となった。

Aron Pilhofer, New York Time